死亡保険は終活で本当に必要なの?
50代・60代で「保険はいらない」と断言する前に
「もう子どもは独立したし、住宅ローンもない。死亡保険はもう不要だろう。」
そう考えて、今まで入っていた生命保険を解約しようとしていませんか?
しかし、ちょっと待ってください。終活における死亡保険(生命保険)の役割は、現役時代とは全く異なります。
現役時代の保険は「遺された家族の生活費」を守るものでしたが、終活世代の保険は、「残された家族の経済的・精神的な負担をゼロにするための手段」、つまり『最後の整理資金』を用意するものです。
結論からお伝えします。 終活で死亡保険を見直すべき最適な時期は、50代後半~60代前半です。そして、必要な金額は高額である必要はなく、「葬儀と諸費用を賄える最小限の金額」で十分です。
この記事では、終活で死亡保険を賢く活用する方法と、「いつ」「いくら」見直すべきか、具体的な目安と選び方を解説します。
1. 終活で死亡保険を「ゼロ」にすべきではない3つの理由
子どもが独立したからといって、死亡保険を完全に手放すのはリスクがあります。終活世代が保険を残すべき理由を確認しましょう。
理由その1:葬儀費用は「緊急の現金払い」が必要だから
日本の葬儀費用の平均は約200万円前後と言われています。この費用は、故人の死後すぐ、現金で支払いを求められることがほとんどです。
- 最大の問題点: 故人の銀行口座は、死亡が確認された時点で凍結され、相続手続きが完了するまで引き出せません。
死亡保険金は、請求から数日~1週間程度で受取人に支払われるため、この「緊急の現金」を用意する手段として最も適しています。
理由その2:家族の「相続手続き」を待たずに済む
死亡保険金は、原則として受取人固有の財産であり、相続財産とは別で扱われます。
銀行口座が凍結されても、遺産分割協議が長引いても、家族は保険金だけは確実に、そして迅速に受け取ることができます。これは、残された家族にとって最大の安心材料です。
理由その3:税金面での優遇がある(非課税枠)
死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠が法律で定められています。
現金で貯蓄するよりも、保険という形にしておけば、税金がかからない枠内で家族に資産を渡せるため、賢い相続税対策にもなります。
2. 【終活世代向け】死亡保険の適切な「金額」と「目的」
終活世代の保険は、「生活費」ではなく「整理費用」に絞って考えるのが鉄則です。
終活で必要な保障額の目安
必要な保障額は、以下の3つの合計額を目安にしましょう。
目的 | 金額の目安 | 備考 |
① 葬儀・整理費用 | 200万円〜300万円 | 葬儀費用に加え、病院の未払金、相続手続き費用、遺品整理費用などを考慮。 |
② 配偶者への生活費 | 0円〜500万円 | 配偶者に十分な年金・貯蓄があるなら不要。年金生活が不安定な場合は上乗せを検討。 |
③ その他の負債 | 残債額 | 住宅ローン残債などがあればその金額。団体信用生命保険(団信)で完済になる場合は不要。 |
過剰な「医療保険」は思い切って見直す
若い頃に加入した医療保険は、「入院日額1万円」など、過剰な設定になっている場合があります。
公的医療保険には「高額療養費制度」があり、月の医療費の自己負担額には上限があります。入院日額を減らして保険料を節約し、本当に必要な「先進医療特約」などだけを残してスリム化することも検討しましょう。
3. 50代・60代が選ぶべき「保険の種類」と見直しテクニック
終活世代は、「定期保険」などの掛け捨て型よりも、保障が一生涯続く保険に切り替えるのが安心です。
おすすめは「低額の終身保険」
終身保険は、解約しない限り一生涯保障が続き、保険料が変わらないのが特徴です。
- メリット: 葬儀費用程度の低額な保障(例:300万円)を確保するのに最適です。また、貯蓄性があるため、解約返戻金としてお金が戻ってくるメリットもあります。
- 選び方: 月々の負担にならない保険料で、必要な金額をピンポイントでカバーできるプランを選びましょう。
見直しテクニック:「払済保険」で保険料をゼロに
今入っている貯蓄型の生命保険(終身保険など)の保険料を払い続けるのが負担な場合は、「払済保険(はらいずみほけん)」という選択肢がある保険もあります。
これは、これ以上保険料を払うのをやめ、その時点の解約返戻金をもとに、保障額を減らして保障期間を一生涯にする方法です。
- メリット: 以降の保険料負担がゼロになり、保障は継続できます。
- デメリット: 保障額はかなり少なくなります。
4. 賢い保険選びは「プロの無料相談」から始める
「どの保険会社がいいの?」「保障額は本当にこれで足りるの?」—保険のことは、自分一人で判断するのは非常に難しいものです。
失敗せずに、最小限の費用で最大の安心を得るためには、保険の専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談するのが最も早くて確実です。
無料の専門家相談を利用すれば、以下のことをすべて解決できます。
- 現状の診断: 今入っている保険証券をチェックし、無駄がないか診断してもらえる。
- 最適な提案: あなたの健康状態、貯蓄、配偶者の状況に合わせた「本当に必要な保障額」を計算してくれる。
- 商品の比較: 複数の保険会社の商品の中から、最も保険料の安い終身保険などを比較検討できる。
▶︎ ただ、FPの方も自分と懇意の保険会社などを紹介する可能性もありますので、できれば一人からではなく複数から相談が受けられると、時間は少しかかってしまいますがベストな選択かと思われます。
まとめ:死亡保険は「愛する家族への安心料」です
50代・60代からの死亡保険の見直しは、「残された家族に、お金の心配をさせたくない」というあなたの優しい思いを形にする確実な準備です。
終活における保険は、高額である必要はありません。「葬儀と諸費用を賄えるだけの低額な終身保障」を確保することが、家族への最大の安心料となります。
今日からできる最初の一歩として、まずは「今、契約している保険の証券」を取り出して、保障内容と保険料をチェックしてみましょう。

▶︎ 自分に必要な保険をプロに診断してもらいたい方へ: まずは無料で利用できる保険の専門家相談を利用し、あなたのご要望に合った「葬儀費用特化型の低額な終身保険」などを見つけてもらいましょう。